ASH|Skream!LISTEN UP! -LIVE REPORT FROM U.K.-

ASH|Skream! LISTEN UP! -LIVE REPORT FROM U.K.-

2010.05.06 @KOKO, London
Reported by Nami Inoue

‘92年に結成。当時のメンバーの年齢も15歳~17歳という驚きの若さで、18年経った今もUKロック・シーンに君臨し続けている、北アイルランド出身のバンドASH。青春時代をASHと共に過ごしたというファンもきっと多いはず。
今夜のライヴ会場KOKOも30代くらいのファンが多い中、若いキッズの姿も目立った。この日の2日前にも同じくロンドンのElectronic Ball Roomでのライヴが行われたにもかかわらず、今夜のKOKO(キャパ約2,500人の中級規模の会場)はぎゅうぎゅうといった感じだった。

ASHは昨年から今年いっぱいにかけて、2週間に一度のペースで26枚ものシングルをリリースするという新しい試みでメディアやファンを沸かせている。またそれに合わせて、昨年はUKのライヴ・ヴェニューをアルファベット順にA-Zまで廻るツアーを敢行するという、おもしろい試みも。
そして、何といってもASHの魅力はメロディの美しさ。元々彼らがハードロックやメタル好きというのは有名な話だが、へヴィなサウンドの中にも一度聴いたら忘れられない様なメロディで、爽やかでちょっと切ない、思わず口ずさんでしまう様なメロディ・メイキングは本当に見事。

一曲目は初期の作品「Lose Control」でスタート。続いて名曲「Life Less Ordinary」と懐かしい曲が続く。今回のツアーでのギター・サポートであるBLOC PARTYのRussellとヴォーカルTimの息もぴったり。ツイン・ギターでのギター・リフはやっぱり迫力がある。
続いては新曲「Dionysiam Urge」。これこそASH!というような、一度聴いたら頭から離れない、甘酸っぱいメロディが最高に楽しかった。その後も新旧の作品を織り交ぜたセットリストが続く。「Gold Finger」、「Shining Light」、「Orpheus」、「Angel Interceptor」、「Walking Barefoot」、「Oh Yeah」、「Kung Fu」、「Girl From Mars」などのお馴染みの名曲は言うまでもなく、観客のヴォルテージも最高潮で大合唱も起こる。
以前私もイギリスのロック・フェスで彼等のパフォーマンスを拝見した時も、観客の皆の大合唱ぶりは見事で、この日もTimがマイクを観客に向けて合唱を催促するなど、もはやASHはイギリス人から愛される国民的バンドなんだと改めて感じる。
特に「Angel Interceptor」ではフロアでダイヴが起こり、「Kung Fu」では曲紹介とイントロの時点ですでに大盛り上がりに。いつ聴いても美しい曲「Oh Yeah」での間奏のギター・ソロには聴き入ってしまった。ギター・ロックが中心のASHの作品の中でも、少しエレクトロニック・サウンドが加わった新曲も数多く披露された。「Neon」ではミキサーとキーボードの音も加わり、以前のエレクトロニックな作品「Candy」とはまた違った新しいASHを感じた。「True Love 1980」、「Arcadia」もエレクトロでポップなサウンドで観客も大盛り上がりに。楽しいひと時だった。
「The Dead Disciples」はASHらしいへヴィなギター・サウンドに、サビの美しいメロディ・ラインが重なる。「Joy Kicks Darkness」では低音のベースのリズムがなんともかっこよかった。そして何とWEEZERの「Only In Dreams」のカヴァーを披露してくれるなど、嬉しいサプライズも。
その後もベースとギターのリフが迫力の新曲「Return Of White Rabbits」を披露。

アンコールでは、女の子フォーク・シンガーEMMY THE GREATをゲストに迎え「Tracers」のアコースティック・セットをみせてくれた。
そして今夜のラスト曲「Burn Baby Burn」では、あのSNOW PATROLのギタリスト、Nathanがスペシャル・ゲストとして登場。やはり観客のみんなも大合唱で、この夜一番の盛り上がりになった。この夏ASHはUKでのフェスを始め、FUJI ROCKの出演も決まっている。盛り上がることは間違いなし!だと思う。

A-Z Vol .1

Price:¥2600 → ¥2069  by Amazon

Release : 2010-04-07


ASHが取り組んできたA-Zシリーズから13曲をコンパイルした『A-Z Vol.1』。2週間ごとに一曲発表するというリリース形態自体、大きなチャレンジだったわけだが、様々なスタイルに挑んだ各曲のクオリティの高さはさすがASH。常にフレッシュな状態で活動を続けていなければ絶対に停滞してしまうだろうが、このコンピレーションのどこを切っても瑞々しくエネルギッシュな彼らの様子が伝わってくる。しかも、まだこれがシリーズの全貌ではなく、残り13曲もあるわけだから恐れ入る。正直、これほどASH の活動にワクワクするのは久しぶりだ。ベテラン・バンドが陥りがちなマンネリズムに堕することなく、これほどのポップ・ソング集を届けてくれたこと。どんな能書きよりも、このことこそが何よりも大切な事実だ。

(佐々木 健治)

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